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「思い出サルベージアルバム・オンライン」洗浄複写会 レポート

日本社会情報学会(JSIS-BJK)災害情報支援チームが主催する、東日本大震災にて被害に遭った写真やアルバムを洗浄、複写するボランティア活動「思い出サルベージアルバム・オンライン」洗浄複写会に参加。現地の状況や作業内容をご紹介したい。

JSIS-BJK

今回の東日本大震災による津波で泥水にさらされたのは家だけではありません。思い出が詰まったたくさんの写真も、泥をかぶってしまいました。その写真から心をこめて泥を掃き、洗浄し複写し、誰のものかわからなくなってしまった写真を持ち主の手元に届ける。それを目的としたプロジェクトが「思い出サルベージ」です。
※日本社会情報学会(JSIS-BJK)災害情報支援チームWebページより

ひたすら複写するボランティア第2日目

2日目は、それぞれの役割に分かれて、継続して作業を行う事となった。複写作業を担当する事になった我々は、撮影とアシスタントの二人一組となって、複写作業に従事する事となった。

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複写の撮影に関しては、三脚に固定したカメラを真下に向けて、撮影。アシスタントがページをめくり、次々とシャッターを切ってゆく。

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参加したカメラマンの中で、一人複写台を持参した方が居たので、せっかくなので、こちらの複写アシスタントを行った。

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台座を利用して高さを稼ぐことで、床に直に置いて撮影するよりも、負担が少なく撮影することができ、それにより撮影効率は格段に向上した。現在は、複写台が導入されており、撮影効率はより一層、向上している事だろう。

こういった活動により、多くのアルバム、写真を洗浄、複写が出来ているが、まだ洗浄、複写を待っているアルバム、写真が残っている。気温の上昇とともに、腐敗や劣化が進んでしまうので、複写までの工程は早急に完了したいと言う。複写(撮影)が完了しても、返却作業のためにインデックスを作成したり、レタッチ作業など、行うべき作業はまだまだたくさんあると言う。

我こそは、という方は「思い出サルベージアルバム・オンライン」のページより、応募されてみてはいかがだろう。


作業自体は、参加者の意識も高く、複写メンバーはプロフェッショナルが多いと言う事もあり、自律した行動がとれていたが、休憩時などオフタイムには、参加者同士談笑したりとメリハリがあり、作業自体も、それ以外の時間もある意味楽しみながら行う事も出来た。

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宿泊も、小原温泉・旅館かつらや様のご好意で、安価に泊まる事ができた。もっと悪い条件も覚悟していたので、リフレッシュも出来、東北地方の芋煮も堪能できた上、ゆっくり休むことができた。

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早朝などは、朝食前に、散歩がてら旅館の周囲で撮影を楽しむグループもあったりと、作業時以外には、息抜きできる機会も。

FUJIFILMMALL(フジフイルムモール)

過酷な環境にて活躍した機器

電源が無い、粉塵が多いなどの状況下でも、PCやiPadなどの情報機器は、今や手放せない時代になっている。今回のボランティアにて、活躍した機器類を紹介したい。

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最も活躍したのは、バード電子のMacBook Air用外部電源「EP-15V」だ。 充電式(リチウムイオン)外部バッテリーは多くあるが、まったく電源が入手できない状況では乾電池式の外部電源は非常に有益だ。単1乾電池8本を使用して、MacBook Airであれば2時間以上の連続使用が可能だった。

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その他、iPadの防水、防塵用には「iPad防水ケース 200-PDA029」などの防水ケースを使用した。IPX8規格に対応しているので、安心して使用することができた。iPhone用の防水、防塵用には、フォーカルの「Krusell SEaLABox for iPhone」を持参したが、現地の電波状況が悪く、バッテリー充電をこまめに行う必要があったので、2日目は使用しなかった。

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「iPad防水ケース 200-PDA029」は、ケース自体のビニールは画面にぴったりと貼付いて充電やシンクロ時に取り出す際には少々難が生じるので、スクリーンプロテクター「iVisor AG for iPad 2」などを貼っておくと、それらを回避し、取り出しやすくすることができる。

iPhoneやその他充電が必要な機器の電源としては、「外部バッテリー・充電器」特集で紹介しているバッテリーのうち、ソーラー充電のもの、大容量のものを中心に複数持参したが、現地の受け入れ態勢や作業環境がある程度整っていたので、全てを使い切るような状況には至らなかった。

サンワダイレクト

支援はこれからも続く・・・

全ての作業が終了後、岐路の途中で津波の被害があった地区を見た。実際に作業を行った場所から、幹線道路を1本隔てると、そこは、津波によってすべてを流されてしまった荒野が広がっていた。

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上記の写真は、iPhone用アプリ「Photosynthicon」を使用して、パノラマ撮影をしたもの。これでも視界のごく一部だ。

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こちらは、「AutoStitch Panorama icon」で、複数の写真をパノラマ合成したもの。

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人が生活しているエリアは、それなりに物も片付けられているなど、道路が波打っていたり、段差が出来ているなどの状態を除けば、比較的日常を取り戻しているように一見見えるのだが、被害が大きかったエリアは、壊れた車が未だ放置されているなど、被害の大きさを物語っている。

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町の至る所で、自衛隊の車両が復旧作業に従事しており、自衛隊をはじめとする、消防や警察などの組織的な支援活動が継続している。

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往路は新幹線、帰路は東京へ戻る参加者の車に同乗させてもらった。高速道路の補修もだいぶ進んではいたが、被災地に近い道路ほど、状態は悪いように感じた。

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いろいろな思いを抱きながら、首都圏にさしかかると、J-WAVEでたった今やってきたばかりの写真洗浄、複写ボランティアに関するラジオCMが流れてきた。CMが終わったと同時に、みんなで顔を見合わせて、「また行きましょう」と現地での再会を約束した。

 

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