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デジタルコンテンツEXPO 2010 レポート

2010年10月14日〜17日の期間、日本科学未来館、東京国際交流館にて開催された「デジタルコンテンツEXPO 2010」を取材しました。

DCEXPO

デジタルコンテンツEXPO 2010は、3DやVRなどを利用した展示を中心にデジタルコンテンツのショーケースおよび今後の方向性を感じる事が出来る製品、技術などが多く展示されていました。

デジタルコンテンツEXPO 2010 Y2 AUTUMN 2010 ブース

Y2 AUTUMN 2010 ブースでは、Y2 PROJECTの最新の取り組みを紹介しておりました。

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ネットワーク越しに音楽セッションを可能にする技術「NETDUETTO」の実演デモやiPhone/iPad版VOCALOID「iVOCALOID」の展示など最新の技術の展示が行われておりました。

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組み込み型VOCALOIDの例としてNECのコミュニケーションロボット「PaPeRo(パペロ)」も展示され、定期的に歌唱パフォーマンスを行っておりました。

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その他のステージプログラムとして、ブースで紹介されている技術の実演やトークショーなどが行われました。

デジタルコンテンツEXPO 2010 HRP-4C 未夢(ミーム)ダンスライブ

産業技術総合研究所のヒューマノイド型ロボットHRP-4C 未夢(ミーム)が、歌声合成パラメーター推定技術「VocaListener(ボーカリスナー)」によってEvery Little Thingの持田香織さんの歌まねをし、人間型ロボットの全身動作を直接作成・編集できる統合ソフトウエア「Choreonoid(コレオノイド)」を活用してTRFのSAMさんの振り付けのダンスを披露するダンスライブも開催されました。

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ダンスライブは、16日、17の2日間に5回、日本科学未来館1Fセンターステージで開催され、多くの来場者を魅了しました。

デジタルコンテンツEXPO 2010 HRP-4C 未夢 ダンスライブ(PV Ver.)

HRP-4C未夢は、産業技術総合研究所が開発した女性型ロボット。歌声は組み込み型VOCALOID「CV-4Cβ(THE iDOLM@STERで天海春香の声を担当している中村繪里子さんの声をサンプリング)」を使用し、歌声合成パラメーター推定技術「VocaListener(ボーカリスナー)」によってEvery Little Thingの持田香織さんの歌い方をトレースしたとの事。

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ダンスは、人間型ロボットの全身動作を直接作成・編集できる統合ソフトウエア「Choreonoid(コレオノイド)」を活用して、3DCGのアニメーションを作成する要領でTRFのSAMさんの振り付けのダンスをプログラミング。バックダンサー「未夢フレンズ」と息のあったダンスを披露。ハードウェア的な限界を、往年のアイドルとバックダンサー的な位置づけに置き換えて、一人だけ運動量が少ない状態でもダンスとして成立する振り付けになっているという事でした。

デジタルコンテンツEXPO 2010 HRP-4C 未夢 ダンスライブ(全体Ver.)

「Choreonoid(コレオノイド)」は、キーポーズと言われる基本動作を要所要所に作成し、その間の動作を力学的に安定な動作へ瞬時に自動変換するというプログラムで、重心の調整などをポーズの全体イメージを崩さないように行い、プログラムした動作と実際の動きに整合性を持たせることができる技術との事でした。現時点では急速な動きに限界があり、振り付けにも制限があり、片足を上げる振り付けなどでのバランスが苦労した(そのままのプログラミングでは転倒してしまうので)と言う事でした。

デジタルコンテンツEXPO 2010 ConTEXトークセッション - ロボットコンテンツの可能性 -

16日の2回目のダンスライブのあと、TRFのダンサーであるSAMさんや開発陣を交えたトークセッションが行われました。

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トークセッションは、デジタルコンテンツEXPO エグゼクティブ・プロデューサーの石川 勝氏によって進められ、SAMさんの他、ヤマハ株式会社の大島 治氏、産業技術総合研究所の横井 一仁氏、HRP-4C未夢の生みの親でもある中岡 慎一郎氏らによって開発の裏話や今回導入された人間型ロボットの全身動作を直接作成・編集できる統合ソフトウエア「Choreonoid(コレオノイド)」に関する説明なども行われました。

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石川 勝
SAM
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中岡 慎一郎(産業技術総合研究所)
大島 治(ヤマハ株式会社)
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横井 一仁(産業技術総合研究所)
佐々木 渉(クリプトン)

また、途中でクリプトン・フューチャー・メディア株式会社の佐々木 渉氏をステージ上に招き、NECのコミュニケーションロボット「PaPeRo(パペロ)」による歌唱デモを行い、サンプリング元の生の声と、VOCALOIDの歌声との差がほとんどないというデモンストレーションが行われました。

デジタルコンテンツEXPO 2010 ライブ&トークセッション

今回、ダンスを選んだが、これは技術のデモンストレーション的な意味合いもあり、将来的には介護などの分野への応用も考えているとの事。また、コンテンツとの関連に関しては、HRP-4C未夢はいわばTVの受像機のようなもので、性能が上がるとクリエイターにとっても表現の幅を広げるという事に繋がるのではないか。そして、今回のダンスライブのように、SAMさんというすばらしいクリエイターに参加してもらう事で、技術も向上し、パフォーマンスの完成度も高まったという事でした。

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